ロイシン(BCAA)(機)
ロイシンは体内で合成できない必須アミノ酸のひとつです。
バリン、イソロイシンとともにBCAA(分岐鎖アミノ酸)と呼ばれます。
BCAAは筋肉の成長と維持に必要なアミノ酸です。
ロイシンはインスリン分泌を促進する作用があるため、BCAAの司令塔としてタンパク質の分解を抑制することと合成促進の調整をしています。
ロイシンはレバー、牛肉、ハム、チーズ、とうもろこしなどに含まれます。
ロイシンは、体内で最終的にケトン体となるケト原性アミノ酸で、筋肉のエネルギー源にもなるアミノ酸です。
ロイシンに期待される効果
筋肉強化
筋肉は運動によって断絶したあとの自然治癒を経て強化されます。
ロイシンを含むBCAAは筋肉の材料で、筋肉を修復する効果があるので、筋力強化ができます。
主に、他のBCAA(分岐鎖アミノ酸)を共に利用されます。バリン:ロイシン:イソロイシン=1:2:1が理想の比率と言われておりますが、近年、ユーザーの目的や競技に応じて、比率を1:4:1や1:8:1とロイシンリッチの設計にされることも増えてきています。
ロイシン40%配合必須アミノ酸として、足の曲げ伸ばしなど筋肉に軽い負荷がかかる運動との併用で、60代以上の方の加齢によって衰える筋肉の維持に役立つ筋肉をつくる力をサポートする機能と歩行能力の改善に役立つ機能がある機能性表示食品も販売されています。
疲労回復
ロイシンを含むBCAAが筋肉が運動した時に発生する乳酸を抑制することが報告されています。
ストレス緩和
ロイシンは脳内麻薬とも呼ばれている「エンドルフィン」と同様な効果があると言われています。
引用文献
Exercise-induced Muscle Damage Is Reduced in Resistance-Trained Males by Branched Chain Amino Acids: A Randomized, Double-Blind, Placebo Controlled Study. J Int Soc Sports Nutr. 2012;9:20.
Does Branched-Chain Amino Acids Supplementation Modulate Skeletal Muscle Remodeling Through Inflammation Modulation? Possible Mechanisms of Action. J Nutr Metab. 2012;2012:136937.
Potential Therapeutic Effects of Branched-Chain Amino Acids Supplementation on Resistance Exercise-Based Muscle Damage in Humans. J Int Soc Sports Nutr. 2011;8:23.
Intake of Branched-Chain Amino Acids Influences the Levels of MAFbx mRNA and MuRF-1 Total Protein in Resting and Exercising Human Muscle. Am J Physiol Endocrinol Metab. 2012;302(5):E510-21.
Resistance Exercise Combined With Essential Amino Acid Supplementation Improved Walking Ability in Elderly People. Acta Physiol Hung. 2013;100(3):329-39.
Intake of Low-Dose Leucine-Rich Essential Amino Acids Stimulates Muscle Anabolism Equivalently to Bolus Whey Protein in Older Women at Rest and After Exercise. Am J Physiol Endocrinol Metab. 2015;308(12):E1056-65.
サルコペニアとアミノ酸栄養 外科と代謝・栄養 2013; 47(2):71-74.
記事筆者
アンチエイジング・プロ 栗山雄司(博士)
How to Use
顆粒
ドリンク
1日当たりの摂取目安量
1000mg以上
グラム単位での摂取が求められるため、顆粒やドリンクの商品がほとんどです。また、BCAA(分岐鎖アミノ酸)と共に利用されることが多いです。
機能性表示食品にも用いられる素材ですが、ロイシン40%配合必須アミノ酸として利用されており、ロイシンを用いたSRでは申請ができません。
摂取の注意点
アミノ酸バランスが崩れると体重の減少やアンモニア排出の阻害などになる可能性がありますので、健康食品を製造するときは、ひとつだけ過剰に摂取しないように注意が必要です。