HOME » 目的効果 » L-シトルリン

L-シトルリン

シトルリンは、私たちの体の中にも存在しているアミノ酸の1つです。
1930年に日本でスイカの中から発見され、そのラテン語citrullusに因んで名づけられました。

また、シトルリンは、アルギニンやオルニチンと同様、オルニチン回路(尿素サイクル)で働くアミノ酸でもあります。

米国では血流改善、動脈硬化予防、アンチエイジングなどを目的としたサプリメント、欧州ではシトルリン-リンゴ酸塩が疲労回復の医薬品として販売されています。

シトルリンに期待される効果

一酸化窒素産生アップ

オルニチン回路は、アンモニアから尿素を作る肝臓の解毒の回路であり、シトルリンやアルギニンから一酸化窒素(NO)を産生します。シトルリンやアルギニンを摂取することで、オルニチン回路が活性化することがわかっています。
そして、オルニチン回路を活性化することで、様々な効果がもたらされるのです。

産生される一酸化窒素が生体内で重要な役割を果たしていることは、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のルイス・J・イグナロ博士によって発見されています。この一酸化窒素とシトルリン・アルギニンの関係についても、イグナロ博士によって解明されています。

動脈硬化性疾患やEDの予防

この一酸化窒素の産生量が上がると、血管の弛緩拡張が起ります。血管を柔らかくし、広がりやすくなるのです。
そのため、動脈硬化予防やED予防に良いと言われています。

※ED予防については、アルギニンのページをご参照くださいませ。

血管がしなやかになることで、血管も詰まりにくくなります。
肥満大国:アメリカでは、非常に大きなニーズがあり、シトルリンは、アメリカでも人気なのです。

この血流の改善により、むくみを改善する報告も行われています。シトルリン3.2g/日を5日摂取して改善効果が示されています。

その他、冷え性などに対しても、800mg/日の摂取で効果が示されております。一酸化窒素の産生量が増えることで、末梢血管も拡張しているものと予測されます。
シトルリンは、この摂取量を参考に、配合量を設定されるケースが多いです。

免疫強化

一酸化窒素は、メディエーター(細胞間のシグナル伝達を行う物質)として、白血球の自然免疫における殺菌効果を担うため、NO産生アップは免疫強化にも良いとされています。

一酸化窒素は、感染症においてほぼ普遍的に産生され、生体内で抗菌活性を発揮するだけでなく、仲介役として病原体と宿主の相互作用を修飾する重要な役割を行っています。

バイアグラの父:イグナロ博士とは?

ルイス・J・イグナロ博士は、まず、この一酸化窒素(NO)が心臓血管系において情報伝達分子としての役割を果たしていることを発見し、1998年にノーベル賞(医学生理学賞)を受賞されています。イグナロ博士は、このNOの機能を発見したことより、バイアグラがPDE5阻害作用で一酸化窒素を産生して機能をもたらすため、バイアグラの父と呼ばれるようになりました。

アンモニア除去で疲労回復

強度の強い運動を行うと、筋肉内にアンモニアが蓄積し、末梢性の疲労の原因となります。このアンモニアは、肝臓における尿素回路で尿素に変換されて排出されます。

シトルリンやアルギニンを摂取することにより、疲労物質であるアンモニア代謝(尿素への変換)が上がることがわかっており、疲労回復が期待できます。
そのため、アルギニンに限らず、近年、シトルリンも、スポーツドリンクやスポーツサプリにも活用されています。

L-シトルリン-リンゴ酸塩として有酸素運動時のATP産生能力向上、アンモニア除去、乳酸消費の向上などの効果が確認されています。

運動のパフォーマンスアップ

疲労をかかえている健常人男性18名にL-シトルリン-リンゴ酸塩を6 g/日で15日間摂取させて評価されています。結果、L-シトルリン-リンゴ酸塩の摂取により、運動中のATP生成が(非摂取に比べて)最大34%増加し、エネルギー貯蔵物質であるホスホクレアチンの20%の回復増加が認められています。これはATP合成の活性化によって疲労感が減少したものと考えられます。

また、ラットの試験ですが、1.2g/kgのL-シトルリン-リンゴ酸塩を経口摂取させ、運動パフォーマンスの変化を評価し、運動パフォーマンスが向上することが報告されています。

シトルリンとアルギニンの組み合わせ

シトルリンは、アルギニンと共に用いられることが多いです。

イグナロ博士は、アルギニンやシトルリンの摂取がNOの産生を活性化し、血管拡張によるコレステロールの蓄積や血栓の発生の抑制、心筋梗塞や脳梗塞の予防などの効果が報告されています。そして、シトルリン(ビタミンCやEなどの抗酸化物質)は、アルギニンからのNO産生が飽和になった時、さらにNOを作り出します。このL-アルギニンによるNOの飽和は容易に起るため、L-シトルリンの存在が重要視されているのです。

例えば、Hayashiら(2005年)は、高コレステロールの餌を与えたラビットにL-アルギニン、L-シトルリン、ビタミンC・Eを12週間経口摂取させることによって、それぞれのアテローム性動脈硬化への影響を評価しています。結果、L-アルギニン、L-シトルリン、ビタミンC・Eすべてを与えたラットで一酸化窒素の産生量が上がり最も顕著に改善傾向が示されています。この結果から、L-シトルリンとL-アルギニンを組み合わせて使われるようになったのです。

※ただし、シトルリンとアルギニンの組み合わせ(比率)で、特許が存在するため、同時に配合する場合、配合比率に注意が必要です。

引用文献

機能性食品素材としてのL-シトルリン FoodStyle21 2008; 12(5): 96-98.
Dhanakoti SN, Brosnan JT, Herzberg GR, Brosnan ME. Renal arginine synthesis: studies in vitro and in vivo. Am J Physiol. 1990;259(3 Pt 1):E437-42
Novel features of nitric oxide, endothelial nitric oxide synthase, and atherosclerosis. Curr Diab Rep. 2005;5(1):17-23.
l-Citrulline and L-Arginine Supplementation Retards the Progression of High-Cholesterol-Diet-Induced Atherosclerosis in Rabbits. Proc Natl Acad Sci U S A. 2005;102(38):13681-6.
Endothelial cellular senescence is inhibited by nitric oxide: implications in atherosclerosis associated with menopause and diabetes. Proc Natl Acad Sci U S A. 2006;103(45):17018-23.
Autologous bone marrow cell therapy and metabolic intervention in ischemia-induced angiogenesis in the diabetic mouse hindlimb. Cell Cycle. 2006;5(24):2903-8.
NOでアンチエイジング 日経BPコンサルティング
若年女性におけるL-シトルリン経口摂取による下肢むくみの抑制効果 薬理と治療 2012; 40(9): 787-794.
一酸化窒素 (NO) による感染防御と病態形成に関する研究 日本細菌学雑誌 2001; 56(3): 503-511.
Citrulline/malate promotes aerobic energy production in human exercising muscle. Br J Sports Med. 2002;36(4):282-9.
Effect of arginine, ornithine and citrulline supplementation upon performance and metabolism of trained rats. Cell Biochem Funct. 2003;21(1):85-91.
Effects of citrulline administration on enzymes of liver and brain in rats. Arch Int Physiol Biochim. 1976;84(3):425-30.
Effects of citrulline malate on bacterial lipopolysaccharide induced endotoxemia in rats. Arzneimittelforschung. 1995;45(6):712-5.

記事筆者

アンチエイジング・プロ

How to Use

錠剤
顆粒
ハードカプセル

1日あたりの摂取目安量

800mg~

多くは、錠剤に加工されます。弊社では、数多くのシトルリン商品を製造しており、シトルリン高含有品の実績もございます。
また、味や香りが少ないため、顆粒の商品に加工することが可能です。

取り扱い原料

梱包形態:25kg
原産国:中国

基本的に、コスト優先で、弊社では中国産の原料を採用しております。そして、OEM用の汎用原料として、常時在庫しております。
一方、国内製造品の取り扱いも行っており、国内製造品でのOEM供給も可能です。

本原料は、OEMに限らず、原料でも供給しております。
ご興味がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

Scroll Up