貧血系原料 市場動向
鉄へのこだわりで差別化
この貧血対策の市場は、月経がある女性を中心に非常に大きな市場があります。
多くの女性が鉄不足(隠れ鉄不足)であることもわかっています。
何と言っても、鉄がメインの原料になります。様々な鉄素材が利用されており、吸収の良いヘム鉄が根強く人気です。安い商材はクエン酸鉄やプロリン酸鉄が多く利用されています。
一方、鉄はフリーラジカルを発生させるため、便秘になりやすいなどの問題も「鉄剤の副作用」として知られています。
そのため、フリーラジカルの害が少ないフェリチン鉄(第三の鉄)への注目が高まっています。
特に、鉄の必要量が増えるに関わらず便秘薬が利用しにく妊婦などで、優しい鉄へのニーズが高いです。
また、人気のあるヘム鉄ですが、どうしても動物(牛・豚)の血液由来であるため、ベジタリアンを中心に敬遠する方々も少なくありません。
こういった背景より、大豆由来のフェリチン鉄のニーズが非常に高まっています。
一方、この大豆由来のフェリチン鉄は、原料として流通し始めたばかりで、ヘム鉄より高コストです。そのため、一定の嗜好層向けでのみ流通しております。
その他の副材原料
鉄は、葉酸やビタミンB12などのビタミンB群や銅や亜鉛のようなミネラルと組み合わせて利用されることが多いです。
特に、葉酸やビタミンB12は、造血のビタミンであるため、ほとんどの貧血サプリに配合される成分です。
こういった副材の葉酸についても、レモン果皮由来の原料のニーズが非常に高まっています。
世界最大の自然食品の展示会でも、ナチュラル志向のサプリメントが目立ちます。その流れが日本にも来ているのだと思われます。
記事筆者
アンチエイジング・プロ 栗山雄司(博士)