無駄に高くならない商品設計と原料の梱包形態
みなさん、商品設計を依頼する場合、無駄に高くなるケースがあるって、ご存知ですか?
ほとんどの会社さんは、説明するのも面倒なので、ゴミになる原料コストをそのまま商品コストに乗せてしまうので、無駄に高い価格で見積書を出されていると思います。
まず、商品設計を依頼される場合、以下のようなものが存在することは、覚えておいてください。
1. 原料毎の最低梱包単位
2. 工場毎の汎用原料
3. 数のクリエイティブ用のミックス原料
当然ながら、各原料、1kg梱包のものもあれば、25kg梱包のものもあったりもします。原料によっては、10kgからでしか購入できない原料というのもざらです。
また、1kg梱包のものでも、ビタミン原料のように、実際には数10g程度しか使用しないような原料も存在します。
その最低梱包単位を意識せずに、商品設計を依頼すると、3kgしか使用しないのに10kgで原料購入をしなければならない場合が生じてきます。
当然、原価も10kg分で購入することを前提に計算されますので、見積書の価格は、無駄に上がります。
商品設計/製造の素人が細かい商品設計を依頼した場合に起こりやすい失敗例です。
細かく商品設計を指定し過ぎない方が良い場合もあるのです。
私は、依頼されないと設計にはあまり口出ししないので、この設計は素人さんらしいなぁと思いつつ、だまっていることも多々あります。
中には、こういった原料の最小梱包を気にしないで使用できる原料も存在します。
それが、各工場で常時在庫している、汎用原料と呼ばれるものです。
この汎用原料は、会社によって種類も数も異なります。
下請け専門のような工場さんは、賦形剤くらいしか汎用原料を持っていないですし、弊社のような原料メーカーも兼ねているOEMメーカー(グループ)は、当然ながら自社原料を汎用化しています。大手の受託加工会社さん、弊社のグループでも、売れ筋の原料を常時在庫しています。
こういった汎用原料の差がOEM商品の見積もりや最小ロットが依頼する会社によって異なってくる一番の理由になってきます。
OEM会社の工場変えされないための戦略
ミックス原料についてですが、原料メーカーが作ってるものと、工場オリジナルのものがあります。
原料メーカーが作ってるものの例として、ビタミンミックスやミネラルミックスというものがあります。
それ以外にも、数のクリエイティブを工場独自で作るため、工場オリジナルのミックス原料を作っていらっしゃる場合があります。
こういった工場オリジナルの原料を作る理由は、主に二つあります。
1. 数のクリエイティブで商品の差別化
2. 製造工場を変更されないようにするため
まぁ、表向きの理由が1で、本当の理由が2です。
特に、ネット系(;EC)の会社さんは、コストだけで工場を変更しようとします。その対策として、そういった気配がある会社さんには、あえてこういった工場オリジナルの原料を配合するケースが多いです。
工場側の企業防衛っていうものですね。
このOEM事業は、リピートしなければ、初回は営業経費が嵩んで利益が出ないという事業ですからね・・・。
価格を上げられたから工場を変えたいという問い合わせ(商品設計は固定、価格も指値)が来ることも多いのですが、こういった工場オリジナルの原料の存在で、どうにもならないことも多々あります。
個人的には、数のクリエイティブだけで消費者を騙すゴミ商品を作りたくないので、断る理由になって良いのですが、工場が変更できなくなってしまう販売会社さんが多いのも現実です。
OEM製造を依頼される場合は、上記のような実際を理解した上で、ご検討いただければと思います。