水溶性ビタミンでも過剰摂取を注意すべき葉酸
世の中、葉酸は水溶性ビタミンだから、摂り過ぎても体から排出されるから安全という誤ったコンテンツがいくつも存在します。
ほんと、止めてほしい!
何のために、葉酸の耐容上限量が設けられているのか?
よく考えてください!
この葉酸は、推奨量(240μg、妊活中だと+400μg)と上限量(900 or 1000μg)が近めで、過剰摂取を注意すべき栄養素です。
ビタミンB1やビタミンCなどとは、ちょっと違います。
また、国立健康・栄養研究所のサイトでも、過剰症が起こり得る量として1〜10mgと明記されています。
μという値を理解していない人も多いので説明しますが、1000μgは1mgです。
水溶性のビタミンでも、耐容上限量を超えると、過剰症が起こり得るのです!
加えて、妊娠後期の過剰摂取は、子供(生まれてくる赤ちゃん)の小児喘息発症リスク向上の可能性も報告されています。
ちなみに、葉酸の耐容上限量の設定は、よくできていると思います。
この基準で摂取すると、妊娠後期の葉酸摂取による子供の小児喘息発症リスク向上の心配もなくなります。
やっぱり、上限量を注意し、特に妊婦は、しっかり葉酸摂取量をコントロールする必要があるのです。
あと、注意してもらいたい点。
食事からの葉酸摂取量。
平成28年の国民栄養調査において、女性は272μgと推奨量を満たしています。
これも加味して補わなければならないのです。
妊活中の方・妊婦・授乳婦以外、葉酸は、意外に、食事で必要量が補えているのです。
まぁ、アメリカでは妊活の人でなくても400μgDFEが推奨量。
なので、私の持論として、 日本人は+200μgDFEくらいはサプリで補い続けても良いと考えています。
まぁ、アメリカはシリアルなどに葉酸添加が義務付けられているので、アメリカ人はこれくらい摂取できている背景の違いかあるのですが。ともかく、その政策が疾患予防で成果が出ているので、多少補っても良い思います。
妊活中、1日当たり400µgの葉酸を補い、マルチビタミンで200µgを補うくらいなら、上限内なので問題ないだろうなぁと思います。
ただし、別のサプリで、もう200µg補うと「増し仕込み」の関係上、食事からの葉酸摂取も加味し、上限を超えちゃう可能性もあるなぁと考えています。
葉酸が配合されている3商品以上のサプリを摂取している人は要注意です!
葉酸など、水溶性ビタミンは、熱や経時変化で減衰します。加工や長期の保管で量が減ります。
栄養成分表示というのは、2年前の担保量+誤差を意味するので、+10~20%多めに配合されるのが通常です。過去の調査では、400µgの葉酸サプリの多くには500µgの葉酸が含まれていたという報告も存在します。
これは、マルチビタミンやその他の葉酸も同じです。
摂取量の注意が必要なのです。
摂取量のコントロールを行いたい場合、一番困るのは、原材料に葉酸と表示されていても栄養成分表示に葉酸の量が明記されていない商品。
どれくらい含まれているかわからない。
一番注意が必要な商品です。
最後にお願い。
葉酸サプリのテレビCMもやっている某製薬会社さん、影響力があるので、サイト上で摂り過ぎの心配はないというとは止めてください!
制作会社や広告代理店に丸投げするのは良いですが、大事な部分のチェックだけはしっかり行ってください!
会社のコンプライアンス上、問題が生じると思います。ぶっちゃけ、担当者もしくは責任者のクビが飛ぶレベルだと思います。
赤ちゃんの健康も含め、人の健康に関わる事業ですので、真剣に取り組んでもらいたと思います。
記事筆者
アンチエイジング・プロ 栗山雄司(博士)