見積書の見方について:ランニングとイニシャル、製造原価の変動
初めてOEM製造を行われるお客様からよくある質問
「見積書の見方がわからない・・・。」
まず、商品の供給価格や製造原価が製造量毎に変化することがわかっていらっしゃらないため、こういったことが起こります。
通常、OEM製造商品のお見積書では、製造ロット毎に商品の単価を示します。
そして、これが主たるランニングコストになります。製造の度にかかるコストです。
さらに、包材仕様によって、アルミ袋代やラベル代、化粧箱代、フィルム代などのランニングコストが加わってきます。
※ランニングの包材コストまで組み込んで価格を出してくる会社もあれば、弊社のように別々に出してくる会社もあります。
それ以外にも、イニシャル時(初回のみ)にかかるコスト(;イニシャルコスト)というものが存在します。以下のようなものです。
・試作費
・パッケージのデザイン代
・栄養分析費用ならびにその他分析費用
・印刷物の製版代 など
当然、イニシャル時(初回生産時)は、上記のようなコストがかかるので、リピート生産時よりコストがかかります。
さて、どうして製造量毎に供給価格や原価が変化してくるのか?
・製造量が増えると、製造効率が上がり、原価が下がるため
・1000個作るの1万個作るのも、営業コストは大きく変わらないため
・製造に取り掛かる準備(&洗浄などの後始末)のコストが固定で一定額生じるため(しがかりコスト)
・使用するために購入する原料の量によって原料価格が変動するため。
上記のような理由があるため、製造量が増えると、製造原価が下がるだけでなく、1商品当たりの営業コストも下がるため、製造者側は利益を減らして、商品を供給することができるようになります。
そういったことが製造量毎の見積書に反映されているのです。当然ながら、製造量が増えると、見積もりの単価は安くなります。
そして、最小ロットは、当然、単価が高くなります。
まぁ、この最低限の営業コスト設定をどのように行っているかは、各社で異なります。場合によっては、設定されていない会社も存在します。各社で最低限の営業コストも含めた利益率設定基準が異なるため、同じ商品設計で見積りを取っても、ロットが大きくなったら安くなる会社、小ロットでは安いがロットが大きくなってもあまり安くならないOEM会社さんなどが出てくるのです。
営業コストを適正に取って、発注後にデザイン会社の紹介・印刷会社の紹介・ロジの紹介などを行う会社さんもあります。弊社だと、クリエイティブの情報まで集めます。やっぱり、安くても、作ること以外のことは何も行ってくれない会社も多いです。
OEM会社で大きく異なるのは、このサポートサービスの部分だったりもします。優れた設備を持ちハード面はしっかりしていても、サポートなどのソフト面が全くダメな会社さんも存在します。
(大手の販売会社さんは、初歩的なサポートを求めないので、ハードを求めます。初心者の会社さんには、ソフトが必須。)
まぁ、このソフトの部分は、会社の人材育成にどこまで力を入れているか、営業担当者個人のスキルで、かなり異なってきます。
是非、上記の点をご理解いただいた上で、的確に見積り依頼を行っていただければと思います。的確に見積り依頼ができれば、必ず的確なOEM会社を探し当てることができるはずです!
ちなみに、弊社のOEMは、他社と比較すると、小ロットでは安いがロットが大きくなってもあまり安くならない特徴があります。
自社原料を多く配合していると、小ロットでは弊社の方が安く、大ロットでは他の受託加工屋さんと変わらなくなることも、しばしばあります。
また、ぶっちゃけ、弊社の場合、ゴミ商品を作るには適していない会社です。高原価商品ほど強い特徴があります。
過去、別の記事でも紹介していますが、このOEM事業は、リピートしてようやく営業利益が出るというビジネスモデルです。なので、見積りの出し方や最小ロットの設定によって、明暗が分かれます。
我々も、少しでも顧客を成功に導くことで成長していく必要があります。日々、努力です。