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葉酸(ビタミンM、ビタミンB9)

葉酸は1941年にホウレン草の抽出物から発見されたビタミンB群です。
「ビタミンB9」「ビタミンM」とも呼ばれていて、アミノ酸、ビタミンの代謝、たんぱく質の生成に関与している水溶性のビタミンです。

また、ビタミンB12とともに赤血球の生成に必要なため造血のビタミンとも呼ばれています。

葉酸は胎児の発育に深く関与するため、特に妊娠初期の女性には通常のおよそ2倍、摂取することを薦められているビタミンです。

葉酸は、レバー、うなぎ、生うに、ホウレン草、あさつき、アスパラガス、枝豆、納豆、いちご、ライチなどに含まれています。

葉酸は、腸内細菌によって合成されるため、通常の食事をしていれば不足することはありませんが、大量の飲酒や避妊薬、抗がん剤などを使用している場合、不足する恐れがあります。

葉酸が不足すると、貧血になったり、動脈硬化の危険因子であるホモシステインが血中に蓄積されてしまいます。
また、胎児の神経管閉鎖障害のリスクが高まります。

葉酸は、ビタミンB12、ビタミンCと一緒に摂取すると相乗効果が高まると言われています。

日本人の食事摂取基準 2020年版

葉酸に期待される効果

貧血予防

葉酸は、ビタミンB12とともに、赤血球を生成するのに深く関与しています。どちらかが欠乏するとDNA合成が阻害され、未熟な赤血球(巨赤芽球)ができて、貧血を引き起こします。

葉酸欠乏の主な原因は、野菜を食べない偏食やアルコールの大量摂取などです。

引用文献

日本人の食事摂取基準 2020年版
ビタミン研究のブレークスルー 日本ビタミン学会編 学進出版
最新 ビタミン学 ~基礎知識と栄養実践の手引き~ 糸川嘉則著 フットワーク出版
貧血:診断と治療の進歩 Ⅱ.診断と治療の実際 2.巨赤芽球性貧血 日本内科学会雑誌 1999;88(6): 22-27.

動脈硬化系疾患予防

葉酸は体内でビタミンB6、ビタミンB12とともに、ホモシステインをメチオニン、システインへの代謝を促進する働きがあります。
ホモシステインは動脈硬化の危険因子のため、葉酸が不足すると血中にホモシステイン濃度が高まり、動脈硬化のリスクが高まります。

また、ホモシステインを代謝することで、血流を正常化するため、脳機能の改善にも効果があると言われています。反対に、ホモシステインの増加により、アルツハイマー型認知症のリスクも高めることが報告されています(Seshadriら、2002年)。

また、米国においては、1998年のシリアルや小麦粉への葉酸添加義務付けにより、要介護者が減少した実績もMantonら(2006年)によって報告されています。この要介護者の減少は、葉酸による脳卒中や高齢者の認知症、骨粗しょう症などのリスク低減効果によるものと考えられています。

引用文献

Plasma homocysteine as a risk factor for dementia and Alzheimer’s disease. N Engl J Med. 2002; 14;346(7):476-83.
Change in chronic disability from 1982 to 2004/2005 as measured by long-term changes in function and health in the U.S. elderly population. Proc Natl Acad Sci U S A. 2006; 28;103(48):18374-9.

胎児の神経管閉鎖障害予防

胎児の神経管は妊娠してから約28日で閉塞して脳や脊髄になるため、障害があると奇形、下半身麻痺などが起こる危険があります。
葉酸はこのリスクを低減することがわかっています。
妊娠は、すぐにわからないケースも多いので、日頃から不足しないように注意することが重要です。

最も有名な葉酸の報告は、胎児の神経管閉鎖障害(無脳症・二分脊椎・髄膜瘤などの異常)のリスクを低減です。2007年のDe Walsらの報告では、アメリカやカナダで1998年にシリアルや小麦粉への葉酸添加を義務付けたことにより、カナダで出生数1000例あたりの障害児(全神経管障害児、無頭児)が減少したという実績が紹介されています。

また、Cavalliらは、2003年、葉酸を十分に摂取しているとダウン症のリスクが70%軽減されるというWaldら(1991年)の報告を有名医学誌ランセットで紹介しています。

引用文献

Reduction in neural-tube defects after folic acid fortification in Canada. N Engl J Med. 2007; 12;357(2):135-42.
Cavalli P, Bosi A, Bassi D. Down’s syndrome. Lancet. 2003; 5;362(9377):81.

美肌

葉酸は、たんぱく質や核酸の合成に関与する補酵素のため、肌などの体内細胞の代謝を促進する働きがあります。また、貧血など改善することにより、副次的な作用として、顔色などが良くなるとされています。

記事筆者

アンチエイジング・プロ

How to Use

錠剤
ハードカプセル
ソフトカプセル
顆粒
ドリンク

1日あたりの推奨摂取量

栄養機能食品として表示許可は、上限は200μg、下限60μgです。

★妊娠を計画している女性や妊娠の可能性がある女性:付加量として400µg(食事性の葉酸として800µg)
※注:妊婦の量は、240µgであり、妊娠がわかった場合、サプリメントなどでの葉酸の不可的な摂取量は、半分くらいに減らす必要があります。同時に、の摂取量を倍に増やす必要が生じます。

栄養機能表示

「葉酸は、赤血球の形成を助ける栄養素です。」
「葉酸は、胎児の正常な発育に寄与する栄養素です。」

主に妊活サプリなどに用いる場合、1日あたり葉酸400µgを配合して設計いたしますが、その場合、栄養機能食品の上限値を超えるため、栄養機能食品にすることができません。ご注意ください。

※過剰摂取すると、発熱、蕁麻疹、かゆみ、呼吸障害などの葉酸過敏症を起こすことがあります。高用量の配合には、注意が必要です。

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